ピアノに消音ユニットを付けたら、一気にモチベアップ!

Piano研究

2012年3月、3歳の子供がピアノを習い始めるにあたり、電子ピアノを購入しました。狭いマンションでしたし、自分が子供の練習をみてあげられるのは夜なので、当時は特に迷うことなく電子を選びました。

2011年製クラビノーバCLP470で、当時30万くらいでした。

それからは子供のみ、3日に1回練習する程度。当時私は弾いていませんでしたが、2018年からレッスンを再開して、2022年3月まで週3回くらい使用してきました。

そしてこの度購入から10年が経ち、ついにその寿命が来て、今度は電子ではなくアコースティック(中古のヤマハU100)に消音ユニット(ヤマハSC2)を付けた形で買い替えました。

電子ピアノからアコースティックピアノ(いわゆる本物のピアノ)に買い替えようかと迷っている方へ、また、消音ユニットってどんな感じ?という疑問を持つ方々の参考になればと思います。

また電子ピアノを買わなかった理由

私は3才から18才まで、アコースティックピアノで練習してきたので、当たり前ですがやっぱり電子ピアノより本物のピアノで練習したい、という思いを持っていました。実家のピアノは度々の引っ越しでもう今はありません。

10年前、私はもうピアノを全然弾いていなかったこともあり、子供がいつまで習い続けるかも分からないし、電子で十分と思って子供のために購入しました。

ところがろくに練習しない子供を見ていたら、自分が本気でまたやりたくなってしまい、4年前にレッスンを再開しました。

わが家のクラビノーバは一度も壊れることなく修理することもなく10年使ってきましたが、ついに2022年3月、よく使う鍵盤がカチカチ音がするようになったり、鍵盤が下がったまま上がらなくなったり、音が出たり出なかったりするように…。

壊れる半年前からショパンノクターン13番を相当練習していたことがとどめを刺したようです。

ピアノの買い替えがついに到来。でも私の中に次もまた電子ピアノを買う選択肢はありませんでした。

なぜなら、

  • 子供が中学生になりまだピアノを続けていて、それなりのレベルの曲を弾くようになった(なる)
  • 自分がロマン派を弾くには電子では表現にかなり限界
  • また電子ピアノを買っても寿命が来る

からです。

でも住宅事情や夜間練習はどうする? となった時、アコースティックピアノに消音ユニットを付ける(後付け)ことで解決しました。

昼間は本物のピアノを弾けて、夜は電子ピアノみたいにヘッドフォン、こんなに便利なことはありません。しかもアコースティックはメンテナンスさえしっかりすれば一生ものです。

電子とアコースティックの決定的な違いはやっぱりタッチ感。分かっていたことではありますが、今回、アコースティックに買い替えた理由の8割はこれです。

良い楽器がいい、という理由を実感

クラビノーバが壊れかけて新しいピアノが家に来るまで2カ月ほどありました。その間は仕方なく壊れかけのクラビノーバで練習していたのですが、音が出なかったり鍵盤が上がってこないピアノで弾くって、本当にストレスが溜まるんですね。思うような音が出ないから強く弾いてみたり、色々余計なことをするので、段々弾き方が雑になってきてしまいました。これなら練習しないほうがいい、と思い、新しいピアノが来るまでしばらく練習はやめました。

その時あらためて気付いたんです。良い楽器がいい、という理由に。

良い楽器は演奏者の表現をそのままダイレクトに表現してくれます。例えば優しく、繊細に弾けばそういう音になる。でも良くない楽器は表現の幅が狭いのでいくら頑張っても演奏者の意図する表現が出来ないんですよね。だから演奏者はつまらなくなって、それ以上弾くのを諦めてしまう。

良い楽器は、演奏者のやりたいことにどんどん応えてくれるから、もっと表現したくなるし、楽器が演奏者からいろいろ引き出してくれるんですよね。

今回、壊れかけのクラビノーバであらためてそれを実感しました。

アコースティックに変えたことによるメリット

鍵盤のタッチが変わる

やっぱり、アコースティックのタッチで練習できるのは最大のメリット。

電子ではできなかった、かすかなタッチで後はペダルで響かせるようなことができるようになりました。特にロマン派では大事な表現です。

楽器のギャップが小さくなる

自宅の電子ピアノで練習して、レッスンの時は先生のグランドピアノで弾く、ということになると当然楽器に違いがあります。

電子とグランドでは楽器のギャップが大きかったんですが、そのギャップが小さくなり、先生に見ていただく時に少し肩の力が抜けるようになりました。

表現の幅が広がる

アコースティックに変えて表現の幅が広がったので、弾くのが楽しくなりますね。楽器が応えてくれるから、どんどんいろんな曲を弾きたくなります。

練習時間が短時間で済む

電子ではどんなに努力しても出来なかった表現が、スッとできるので、練習時間が短くなりました。電子だったせいで、これまで余計な練習をしていたんだと分かりましたね。これからはもっと別の練習に時間を使えるようになるのは嬉しいですね。

消音ユニットは便利なことこの上ない

アコースティックに消音ユニットを付けるってどういうこと? って思いますよね。

普通にピアノを弾くとアコースティック、消音ユニットに切り替えると電子ピアノになるんですよね。

簡単に言うと、鍵盤を押した時にハンマーが弦を叩かないように手前でストップさせて、鍵盤の下にあるセンサーが音を感知して電子音を出しています。だから聞こえる音はそのピアノの音じゃなく、録音された電子音です。

消音ユニットに切り替えると、タッチ感はアコースティックの時と若干変わります。それにやっぱりハンマーが弦を叩いていないので、電子ピアノと同様に、指で音を作り出す感覚は練習できません。これはアコースティックで練習しなければならないところです。

アコースティックしか弾いたことのない人には違和感があるかもしれませんが、電子ピアノ経験者は全く違和感なく、むしろアコースティックのタッチ感に近くなって夜間練習できるのが、感動です。私の消音ユニットSC2なら音はヤマハグランド最高峰のCFX。ベーゼンドルファーにも替えられます。

さらにスマホアプリと連携して音色を変えたり、録音して編集できたり、多彩な機能が付いています。アコースティックピアノからこんなにデジタルなことができるようになるとは、今回初めて知って驚きましたね。

消音ユニット付きアコースティックピアノは、あり?

私にとっては、あり、です。

特に練習環境に制限のある人には、電子ピアノという選択肢とあわせて消音ユニット付きアコースティックも検討の余地ありです。

ただ、予算的には消音ユニットの分、高くなりますし、アコースティックは一生使えるけれど消音ユニットは電化製品なので寿命があり、10年後に消音ユニットだけ買い替え、ということにもなります。

最近の電子ピアノはハイスペックになってきて、アコースティックより高価なものもありますね。よりアコースティックに近付けていくと価格が上がっていくので、結局アコースティックを買うのと変わらなくなるなら、どっちを選ぶのかはその人次第ですね。

子供がピアノを習う時、私は電子にしてしまいましたが、可能なら最初からアコースティックにするべきですね。当然ですが生の楽器から自分で音を作り出す感覚を小さい時から経験させたほうがよいでしょう。

もし電子にしたとしても、レッスンを続けていくなら小学校高学年頃にはアコースティックに買い替えたほうがよいと思います。演奏する曲の表現に電子では対応できなくなってくるからです。

大人が趣味で弾くなら、どちらでもお好みで、ですね。

消音ユニット付きアコースティックピアノ、私はこれにして前よりもっとピアノを弾くモチベが上がりました。

子供のために買い替えた場合、きっと子供のピアノへのモチベが上がって、もっとピアノが好きになるのではないでしょうか。

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