電子ピアノでリストやショパンは弾ける? 大人が趣味で弾く時に気を付けたいこと

Piano研究

子供のころは生ピアノ(いわゆるヤマハの普通のアコースティックピアノ)が家にありましたが、今は電子ピアノ(クラビノーバ)になってしまいました。3年前にピアノのレッスンを再開してからずっと電子ピアノで練習しています。

この3年間、リストやショパンの中級~上級曲を自宅では電子ピアノで練習し、レッスンの時だけ先生のグランドピアノで弾いています。生ピアノとの違いで苦労することもあり、また電子ピアノだからと割り切った練習の仕方も何となく分かってきたように思います。

今回は大人が趣味で弾く場合、電子ピアノでリストやショパンを練習する時に私なりに気を付けていることを紹介します。

使用しているのはクラビノーバCLP-470(2011年製)ですので、製品によっては状況が異なるかもしれません。

電子ピアノは楽器ではない(あえて断言します)

住宅事情で生のピアノを買うことが難しく、電子ピアノという方も多いでしょう。わが家もそうです。小さな子供がピアノを習いたいと教室に行くと、「はじめはご家庭では電子ピアノでもいいですよ」と大抵の先生はおっしゃると思います。少なくともわが子が過去に習った先生はお二人ともそうでした。私が現在習っている先生も同じです。

ところが、そのピアノの先生ご自身は電子ピアノを弾いた経験がなく、電子ピアノで練習する際の注意点などはご存じないことが多いのではないでしょうか。きっと先生は子供のころからずっと生ピアノしか弾いたことがないはずです。

電子ピアノを購入する際に、いくつか楽器店を回りました。その時、どこかの楽器店の店員さんがおっしゃったことが印象に残っています。

「電子ピアノは楽器ではなく電化製品なんですよ。だからいつか寿命が来て買い替えが必要になる。一方で生ピアノはずっと長く使っていくことができる、楽器なんです。」

生ピアノでは鍵盤を押すことでハンマーが弦を打ち、音が出るのですが、それが電子ですからね。当たり前ですが全然違います。「ピアノから音を引き出す」、という行為は生ピアノでしかできないんですよね。

私はバイオリンと琴を習ったこともあるのですが、弦楽器だと「音を引き出す」ということをより感じることができます。

電子ピアノでロマン派を練習する時に気を付けたいこと

私は3歳から18歳までは生ピアノが自宅にある環境で習っていました。そして47歳で再開した時から自宅は電子ピアノになり、月2回、先生のレッスンを受けに行った時だけグランドピアノを弾く環境になりました。この3年で練習してきた曲はリスト「愛の夢」「ため息」「献呈」、ショパン「雨だれ」「幻想即興曲」などです。

住宅事情や予算が許せば、ぜひ生のピアノで練習すべき、というのが私の考えです。でも、そうもいかないですよね。

そこで、電子ピアノでロマン派を練習する時に気を付けたいことを挙げてみたいのですが、あくまでもこれは大人が趣味として弾く場合というのが前提です。

小さいころからピアノを習い続けてくると、小学校高学年~中学生くらいからロマン派を弾くようになってきますが、その場合は電子ピアノから生ピアノに買い替えるべきだと思います。

1.軽いタッチに設定

電子ピアノのタッチはいくつか選択できるようになっていますね。種類にもよりますが、私は一番軽いタッチの設定にしています。ロマン派的なピアノの音を響かせるのには、あまり指先に力を入れずに弾けるようにしておくことが必要なので、そのためにはタッチを軽くしておいたほうが良いと思います。

2.電子ピアノのタッチに慣れすぎない

ロマン派は鍵盤を叩いて音を出すというより、ピアノの弦の音色を引っ張り出すことを意識する必要があります。「押す」のではなく「引く」ほうです。一方、電子ピアノは完全に鍵盤を押して音が出るものです。電子ピアノで練習していると、ついつい指を強く鍵盤に当てるようになってしまいます。この同じタッチで生ピアノを弾くと強く当て過ぎることになってしまうんですね。

なので、あまり電子ピアノのタッチに慣れすぎないことがポイントになります。(練習しすぎないことも必要)

私の場合、先生のところでレッスンを受ける時には、特にこのタッチの加減を生ピアノで確認することを意識しています。

3.速いタッチは音が出ないものと割り切る

例えばリストの「愛の夢」や「ため息」で鍵盤を速いスピードで駆け下りるところは、電子ピアノでは音がブツブツと切れて音がきれいにつながって聞こえないことがあります。

「自分の指がちゃんと鍵盤を押せてないからなのかな?」と、何度も練習してそれでもちゃんと音が出なかったのに、先生のところの生ピアノで弾くとちゃんと音が出る、という経験があります。

電子ピアノは速いタッチだと追いつけないんですね。鍵盤を1つ1つきちんと押さないと音が出ない仕組みなんです。なので、生ピアノのように少しの弱いタッチで後はペダルで響かせるようなことができません。

これを知らずに、一生懸命電子ピアノで音を出そうと頑張って練習しすぎて、手を痛めた人を知っています。

電子ピアノではこういう速いタッチは音が出ないもの、と割り切って、その部分はあまり電子ピアノで追求せず生ピアノを弾く時に確認した方がよいと思います。

電子ピアノを理解した上で上手に付き合う

電子ピアノは生ピアノとはやっぱり違います。でも、いつでも好きな時間に好きなだけ弾ける点では、ピアノを趣味とする大人にとって貴重な存在。

リストやショパンなどの曲も、電子ピアノの特徴を理解した上で練習するとよいと思います。

たまにはピアノレンタルスタジオを活用して、生のグランドピアノを好きなだけ弾いてみるというのもお薦めです。

最近では生ピアノに消音機能を付けることも可能ですので、生ピアノのタッチをそのままに夜中でも弾きたいという人にはこちらも選択肢に入ってくると思います。ピアノはどんどん進化していますね。

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