大人でも発表会には出たほうがいい?そのメリット5つ

パフォーマンス
お悩みの大人バレリーナ

発表会に出ようか迷っていて…。

衣裳着てトウシューズで踊れるのは楽しいけど、私なんて下手だから周りに迷惑掛けちゃいそうだし…。

練習を頑張ればいいし、先生も発表会に向けて今以上に丁寧に指導してくれるはずだから、心配しなくてもいいと思うよ。

費用もかかるし、リハーサルの時間も増えて、大変だよね。

大変なことは確かだけど、出たら必ず得るものはあるよ。

大人がバレエの発表会に出られるチャンスは広がりました。
私が20代の頃、バレエスタジオの生徒は子供中心で大人は数人。発表会では肩身の狭い思いをしていましたね。だってそのスタジオの生徒のお母さんと自分の年齢がほとんど変わらないんだもの。
でも時代は変わって今や大人だけのスタジオや大人だけの発表会もあり、舞台で踊ることが身近になりました。

発表会に出るとなると、リハーサル時間が増え、それなりの費用もかかり、いろいろと大変です。私は20代で7回、40代で2回出ました(30代は出産、子育てで機会無し)。

そんな私は、大人でも発表会に出ることを断然お勧めします。自分は下手だし、周りの足をひっぱりそうだし、舞台で見せられるような踊りじゃないし、なんてことは関係無しです。公演ではなく、あくまでも発表会なんですから。
今回は、発表会に出ようか迷っている方に、私が思う大人でも発表会に出るメリットについて書いていきます。

発表会に出るメリット5つ

1. バレエは舞台芸術であることを知る

スタジオで踊ることと舞台で踊ることは全然違います。広い舞台空間では、表現、体の角度、目線、踊りの見せ方など、全てを舞台仕様に合わせていく必要があるんですね。
スタジオでレッスンしかしていないと、レッスンが目的になりがち。バレエは本来、舞台で踊るもので、そのための訓練の場がレッスンであることをあらためて意識する機会になります。
狭いスタジオでいつも小さくこじんまりと動いてばかりいると、舞台では何をやっているか観客には全然見えませんし、スタジオの鏡ばかり頼りにしていると、鏡のない舞台が怖くなってしまいます。

2. 目標がモチベーションになる

何となくいつも同じスタジオでレッスンを続けているより、発表会に出ることが決まると目標ができて、モチベーションも上がります。
苦手なパができるようになるために、繰り返し練習するし、腹筋の回数を増やしたり、少しでも本番で上手に踊れるように努力が始まります。ダイエットにも取り組むし、体作りには持ってこいのチャンスです。

3. バリエーションよりコールドが何倍も成長させる

バリエーションを踊るほうが、上級者でカッコよく見えますよね。発表会に出てもどうせ自分はコールドしかできないし、なんて思っていたら間違いです。実際はコールドを経験したほうが自分の成長になります。

コールドは実はすごく難しいと実感するはず。
私が今までやったコールドで最も学びになったのは「レ・シルフィード」(ラ・シルフィードではなく)。腕の柔らかさ、首や体の角度、ポーズしている時の形、動き出しの呼吸など、すべてを皆であわせなければなりません。一人だけ変な首の角度だと先生に怒られます! 変な首の角度なのは、普段のレッスンの時からそうだから。つまり、日々のレッスンの結果がすべてこういう場面でバレてしまうんです。
また、一人で踊るバリエーションなら、自分の都合で振り付けを得意なものに変えることも可能ですが、コールドではそうはいきません。自分ができていないことは、本番までに皆と同じにできるようにしなければダメなんです。
コールドの経験は大きな学びになります。

4. 一つの作品を作り上げる力が付く

作品は一つのストーリーです。それを舞台で観客に伝える、語るという作業になります。振り付け通りにできたらOKではないんですね。
となると、その踊りの背景を調べたり、他の人が踊っている動画を観たり、音楽の構成をよく考えたり、という研究が必要になります。
また、グループやパドドウなどで一緒に踊る人がいれば、そのストーリーを一緒に語ることになるので、相手を感じながら踊ることも必要です。
一緒に踊っているのに、一人ひとりバラバラに動いているように見えるのはよくあることです。自分のリハーサル動画をとって、研究するとよいと思います。

5. 舞台ならではの準備方法を学ぶ

メイクや衣裳の扱い方を覚えたり、トウシューズを用意したり、準備は忙しいながら、楽しみでもありますね。舞台ならではの準備方法は、周りの人に教えてもらいながら、段々と覚えていくものです。

少し話はそれますが、そんな中でも私が心掛けていることはというと…

衣裳については、できるだけリハーサルで衣裳をつけて回数をこなしておくほうがいいと思います。特にチュチュで自分の脚が見えない中で踊るのは、慣れないと怖いかもしれません。なので、レンタル衣裳の場合、本番ギリギリに借りるのはお勧めしません。

当日、同じ楽屋の仲間の皆で食べられるお菓子を1箱、持っていくと何となく和みます。
「今日はよろしくお願いします」の意味合いですね。ちなみにお菓子は個包装のものにすること。当日は朝早くから終演まで長時間ですから、包装されてないものだとゴミやホコリ(メイクの粉など)がかかってしまうので要注意です。

本番は、自分が踊る時間まで結構待ち時間が長いことが多いのではないでしょうか。朝早くバーレッスンしても、踊る頃には体が冷えて、本番の出来がボロボロだった経験が私にはあります。その時は1曲のみの参加だったのもあって、待ち時間が長すぎたんですね。大変でも2曲以上出たほうが、適度に動いていられるので体も調整しやすいと思います。

発表会に出ることで得るものは大きい

発表会は自分が学んだ成果を発表する場であると同時に、学びがグッと加速する機会でもあります。参加できる機会があるなら、どんどん参加するべき、というのが私の考え。必ず得るものはあります。
逆に、発表会に出てもあまり得るものがなかった、と感じたなら、そのスタジオに問題があるかもしれません。大人数参加させて、参加費を集めることを目的にして豪華な会場で行うような発表会だったり、子供の人数が足りないからと大人を参加させて何とか形にしようとする発表会なら、参加する必要はないと思います。

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